「レンタルスペース運営を始めるのに初期費用ってどれくらい必要?できれば具体的にかかった費用の詳細を教えてほしい...」
今回はそんな疑問にお答えします。
本記事を読むメリットはこんな感じ。
- レンタルスペースにかかる初期費用が分かる
- 実際に運営しているスペースの具体的な初期費用が分かる
- 初期費用を0円にできる方法が分かる
この記事を書いている僕は、5つのジャンルのレンタルスペースを運営しています。
そこで、それぞれのレンタルスペースでかかった初期費用が説明できると思い記事にしてみました。
ちなみに、本記事ではリアルにかかった初期費用を書いていくだけではなく、0円から始められるレンタルスペースの運営術も後半にまとめています。
イメージしやすいように、実際に運営しているスペースの写真やURLも貼っておくので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
レンタルスペース運営にかかる初期費用とは?
レンタルスペース運営は、大きく分けると下記の初期費用がかかります。
1.不動産契約費用
2.内装工事、家具や備品
それぞれ、どれくらいの初期費用がかかるのか説明していきます。
1.不動産契約費用
物件を持っていない場合には、まずは部屋を借りる初期費用がかかります。
家賃、敷金、礼金、鍵交換費用、あとは保証金が掛かるところもあります。
大体にして家賃の5ヶ月分くらいは初期費用でかかるイメージです。
7万円の家賃であれば35万くらいは掛かる感じですね。
レンタルスペース運営において家賃は一番経費がかかる部分。なので家賃は安いに越したことはありません。
家賃が安ければ初期費用もランニングコストも安くなるので、妥協せずに安い家賃物件を探してください。
2.内装工事、家具や備品
部屋が決まったら内装工事です。
ありのままの状態でレンタルスペースにできる部屋というのは滅多にないので、必ず内装工事費用はかかると思ったほうが良いです。
ただ、どんなスペースにするのか、またはどんな部屋を借りるのかで、内装工事や家具や備品にかかる費用は全然変わってきます。
そこで僕のレンタルスペースを例にして、実際にかかった内装工事の初期費用を紹介しようと思います。
実際にかかったレンタルスペースの内装工事費用
ここでは、僕が運営している撮影用のレンタルスペースとBBQパーティースペースを例にして、実際にかかった内装工事費用や家具や備品について説明します。
撮影用レンタルスペース
引用元:えこてんハウススタジオ
内装工事:20万円(DIY+大工さん)
家具一式:15万円
小物備品:5万円
照明機材:5万円
撮影機材:10万円
鍵(スマートロック):1万円
清掃・衛生備品:5千円
窓掃除(ハウスクリーニング):3万円合計:約60万円
このスペースは、Youtube撮影やポートレート撮影に使える撮影スペースとして作りました。
間取りは2DKで約40㎡。
内装工事は20万円くらいかかりました。大工さんや電気屋さんに頼んだからです。
大工さんにお願いしたのは、天井を抜く工事、壁の補修工事といったもの。
あと、天井を抜いたところで天井照明をつけたかったので、電気の配線工事を電気屋さんに頼みました。
その他の内装はすべてDIYで行いました。部屋の中やトイレに壁紙やフロアタイルを貼ったり、ペンキを塗ったり、部分的に兄に手間賃を払ってやってもらいました。
内装工事費やDIYでかかった費用を合わせると20万円くらいかかりました。
家具や備品については、テーブル、椅子、ソファー、カーテンといった家具で15万円、部屋のテーマに沿った備品や小物、観葉植物などで5万円くらいでした。
それと撮影スタジオなので、天井照明、照明機材3種類、背景色のセット、三脚、アンブレラなどで10万円くらいかかった感じです。
その他の細かい消耗品もいろいろと揃えて、合計で約60万円くらいはかかりました。
BBQパーティスペース
【内装・外装費】:50万円
人工芝(60㎡)・・・120000円
ウッドデッキ・・・30000円
レンガ・・・10000円
パークベンチ2つ・・・30000円
物置・・・50000円
屋外電気工事・・・100000円
LEDパーティーライト・・・20000円【BBQ機材費】:25万円
BBQコンロ・・・35000円
ガス燃料2個・・・2000円
タープ・・・20000円
6人用アウトドアテーブル・・・30000円
ビアベンチ・・・20000円
アウトドアチェア(6つ)・・・18000円
ビーチパラソル・・・5000円
作業台テーブル・・・5000円
流し台(シンク)・・・15000円
クーラーボックス(2つ)・・・10000円
LEDランタン・・・5000円
電子ケトル・・・5000円
BBQ道具・備品一式・・・30000円
トング2つ、菜箸1つ、包丁1つ、まな板1つ、アルミホイルキッチンペーパー、BBQ串5本、油引き1つ、サラダ油1つ、キッチンバサミ、鍋2つ、フライパン1つ、ザル1つ、軍手合計:約75万円
内装・外装費用で一番かかったのは人工芝と電気工事ですね。
60㎡に人工芝を一面に敷くと、材料費だけで12万円くらいかかりました。
それと夜間でも使用できるように、屋外電気工事を電気屋さんにお願いしたので10万円ほどかかりました。
あとはBBQ機材を一式揃えるとなると20万円以上はかかる感じですね。
【結論】レンタルスペースの初期費用は100万円
ここで結論を言ってしまうと、レンタルスペースの初期費用は100万円見ておけば大丈夫です。
不動産契約費用と、ここでは撮影スタジオ、BBQパーティスペースを例にして内装や備品にかかる費用を出してみましたが、大体にして合計で100万円くらいはかかります。
家賃やレンタルスペースのジャンルにもよって前後はあるかもしれないですが、100万円用意してあれば大概間に合うと思って大丈夫です。
ちなみに何度も言いますが、レンタルスペースの最大の経費は家賃(不動産費用)です。
家賃と売上は比例せず、部屋の中(内装や家具、備品)の充実さのほうが売上アップに重要な要素です。
もし手元に100万円があってレンタルスペースを始めるなら、不動産契約費用はできるだけ安く済ませて、内装や家具、備品などにお金をかけるようにしてください。
レンタルスペースの初期費用の回収はどれくらいで可能?
初期費用100万円くらいかかるとなると、回収までは良くて1年くらい、遅くて2年くらいはかかります。
レンタルスペースの売上はうまくいって家賃の2倍~3倍くらいいけば良いほうなので、たとえば家賃7万円の部屋であれば15万円~20万円の売上に。
その月により売上も上下しますし、備品購入などの必要経費もかかってきますし、お客さんの要望により後々買い足す備品もたくさん出てきます。
そう考えるとうまくいって毎月10万円弱の利益が残ると計算すると、初期費用の回収には最低でも約1年くらいはかかると思っておいたほうがいいです。
これが、ボチボチの成果で毎月数万円の利益だとしたら回収までに2年くらいはかかる計算です。
ちなみに僕の場合はうまくいったこともあって8か月くらいで回収できました。
スペースの広さにより売上単価の上げ下げはあるものの、どんな広さのスペースだとしても1年〜2年くらいは初期費用の回収にはかかると思ったほうが良いです。
初期費用0円でも始められるレンタルスペースの運営術
ここからは少し変わったお話です。
先ほど、レンタルスペースの初期費用は100万円と言いましたが、初期費用0円で始める方法もあるのでお伝えしていきます。
僕は初期費用0円で始めたレンタルスペースが2つあります。
なぜ初期費用0円で始められたのか?
それには3つの理由があります。
- ありのままの状態に需要があるスペースだから
- レンタルスペースを使う理由はお客さんが決めるから
- 大家さんと共同事業として始めたから
です。
それぞれを深堀りしていきます。
1.ありのままの状態に需要があるスペースだから
ありのままの状態に需要があるスペースを運営すれば、内装や外装にかかる初期費用は0円で済みます。
例えば、屋上レンタルスペースが良い例です。
屋上スペース (屋上スタジオ)
引用元:えこてん屋上スタジオ
内装、外装費用:0円
合計:0円
これは僕が運営している屋上スペースですが、内装や外装でかかった初期費用は0円でした。
というのも、撮影場所として貸し出すなら屋上は基本的に最初は何も作る必要はないからです。
屋上っぽさがそのまま残ってたほうが良くて、下手に外装をいじったりするとかえって余計な事になるからです。
運営していくにつれて、機材を置けるテーブルとか、休憩用のベンチとか椅子を揃えていきましたが、屋上スペースは貸出してる場所も少ないので、場所貸しするだけでもかなり需要はあります。
2.レンタルスペースを使う理由はお客さんが決めるから
レンタルスペースは、内装はこうして、備品はこれを揃えてとか、いろいろ自分勝手に思い込みでスペースを作りこむのはヤメたほうがいいです。
レンタルスペースを使うのは、自分ではなくお客さんだからです。
下手にモノを増やしすぎるとスペースが狭くなってしまうし、必要ないものを買ったとしたらお金の無駄になってしまいます。
だから、かえって何もない状態のスペースで始めるのも手です。
ここでも僕のスペースを例にしてみます。
スケルトンスペース (廃墟スタジオ)
引用元:えこてん廃墟スタジオ
備品や小物費用:0円
合計:0円
テナントが撤退したビルの1室で、完全スケルトン状態でレンタルを始めたスペースです。
スケルトン状態のスペースは廃墟スタジオとして設定したら、ミュージックビデオの撮影、映画の撮影、コスプレ撮影などの需要がけっこうあります。
何も備品や小物を揃えなくても、バンバン予約が入ってきてました。
運営していくにつれて、更衣室はありますか?とか、机や椅子は?とか、ハンガーラックは?とかお客さんから言われる事が多くなったので、順次備品類を揃えていきました。
屋上スペースやスケルトンスペースに限らずですが、「こんなスペース需要あるかな?」と思ったとしても、それはお客さんが決めることなので、内装工事をかけたり、モノを揃える前にどんどんレンタルスペースとして貸し出してみたほうが良いです。
そこでお客さんから質問があったことや要望を聞いていきながらモノをを揃えていくほうが、限りなく初期費用を少なく済ませる賢いやり方です。
3.大家さんと共同事業で始めたから
最後は不動産契約費用を0円にする方法です。
それは、レンタルスペースを大家さんとの共同事業で始めること。
そうすれば不動産にかかる初期費用を0円で済ませることができます。
僕の場合もこのやり方で不動産契約にかかる費用0円でスタートできました。
具体的なやり方は下記の通りです。
- 大家さん向けに企画書を作る
- 大家さんと共同事業(業務委託)の契約を交わす
- レンタルスペース運営を始める
です。
大家さん向けに企画書を作る
僕の場合は親戚にビルの大家さんがいまして、長年テナントが埋まっていない状況を知っていたので、その人に向けてレンタルスペース運営の企画書を作りました。
企画書の書き方の流れは下記の通りです。
- 背景 (今の時代背景や経済情勢など)
- 課題 (ビルの大家さんの課題)
- 目的 (企画書を書いた目的)
- 具体的にやること (レンタルスペース運営について)
- 需要について (レンタルスペースの現在と今後の展望)
- 目標売上 (大きめに提示)
- 予測 (売上推移と目標売上達成までの予測)
- かかる費用について (大家さんの費用負担は0円)
- 事業の効果 (レンタルスペースを始めることによる費用対効果)
以上の内容が入っていれば、大家さんも納得のいく企画書は作れます。
僕もパワーポイントで20ページの企画書を作って納得してもらい、レンタルスペース運営をスタートすることができました。
ただし注意点なのが、企画書を作って見せたからといって誰もがOKするわけではないです。
自分の親戚や友人関係、または飛び込みで営業したりポストに投函するなど、ここは数勝負で挑みましょう。
そのためにも企画書を1つ作っておくとずっと使えるので、営業資料として重宝します。
大家さんと共同事業(業務委託)の契約を交わす
大家さんからOKをもらったら契約を交わします。
ここでは、大家さんから業務委託を受けて自分がレンタルスペース運営を始めるという契約書を交わします。
業務委託契約書はググればテンプレートが出てくるので、それを使えばOKです。
業務委託契約は成果報酬型で売上金額を払う取り決めにして、僕の場合は毎月売上の20%を大家さんに支払うというかたちで契約しました。
パーセンテージは10~30%くらいがラインだと思いますが、そこは大家さんとの相談です。大家さんは家賃相当かそれ以上ほしいのが希望するとこなので、頃合いをみたところで決めましょう。
レンタルスペース運営を始める
契約を交わしたら晴れてレンタルスペース運営のスタートです。
ただし、共同事業で初期費用0円という形で運営していくわけなので生半可な気持ちでやってはいけません。
大家さんに期待値以上の成果報酬を毎月払えるように、集客、売上アップに取り組んでください。
また、毎月の成果報酬の支払いには必ず売上の詳細が記載された支払い明細書を大家さんに渡すようにしてください。
この方法と流れで進めれば、不動産にかかる初期費用は0円でスタートすることができます。
レンタルスペースの始め方については下記記事「レンタルスペース運営の始め方【月150万円稼ぐ筆者が解説】」で詳しく解説していますので参考にしてください。
-
【完全版】レンタルスペース経営の始め方【失敗しないコツを解説】
・レンタルスペース経営の始め方が知りたい! ・レンタルスペース経営で稼ぎたい! ・レンタルスペース経営で失敗しないコツが知りたい! こんな悩みを解決できる記事を用意しました! この記事を読めば、レンタ ...
続きを見る
まとめ:レンタルスペースで成功したいなら初期費用をかけないこと!
レンタルスペース運営で成功したいなら初期費用をできる限りかけないこと、これに尽きます。
一番経費がかかる不動産関連の費用は、家賃ができるだけ安い物件を探し回る、または共同事業に賛同してくれる大家さんを探すですね。
あと、内装や備品関係ですが、やはり何かテコ入れしないとならないケースがほとんどだと思います。
そこで初期費用をかけない点で大事なことが、最初から完璧を求めすぎないこと。
内装や備品関係の準備は7割くらい揃えたらスタートしちゃったほうが良いです。
7割というのは、内装や家具や備品などはちょっと足りないかなくらいでレンタルを始めるのが良いということ。
レンタルスペースには完璧な理想形というのはなく、お客さんあってのスペースです。だから、お客さんの要望が多くなったら揃えるくらいでちょうどいいです。
僕もハウススタジオの構築に完璧を求めすぎたせいで、レンタルを開始するのがだいぶ遅れてしまった失敗経験があります。
7割くらいスペースが完成したら先走ってレンタルをスタートです。
そうすれば初期費用も安く抑えられるし、早く運営スタートができて初期費用の回収も早く終わらせることができますよ。
それでは今回は以上です。